玄関が4つも!加賀藩前田家のお殿様へのおもてなしが抜群の喜多家

  • 石川
  • 体験する
喜多家(主屋)※国指定重要文化財
加賀藩は、年貢の取り立てや藩の決まりの連絡、検地による地図作成、用水の管理、争いごとの裁判などを十の村を単位にして組織を作り、管理していました。それを十村(とむら)と呼び、喜多家は、その村の百姓の頭に選ばれました。屋敷には藩主や武士が泊まることもあったことから、十村役にふさわしい格調高い主屋には、村の行政を司る仕事場や、藩主を迎えるための専用玄関、部屋などが用意されていました。主屋・表門・道具倉は国の重要文化財に指定されています。
中庭
喜多家(表門)※国指定重要文化財
まず、敷地に入ると13,000坪の立派な庭が。その庭を下るようにして降りていくと茅葺の表門が現れます。入場料を払うと、ご当主が現れ、自ら案内をしていただくことに。ご当主曰く、「庭より下に屋敷があるのは、敵に見つからないように。前田家は、徳川家に常に警戒されていたから。」ということでした。納得です。
喜多家(主屋)※国指定重要文化財
表門をくぐると、真正面に主屋が。なんと、玄関が4つもあります。正面に向かって右から百姓、表玄関、武士、そして一番左が、前田家のお殿様の玄関です。身分によって分けられただけでなく、下の身分の玄関ほど後ろへ下げて作られていました。当時の身分制度が、垣間見える貴重な建物ですね。
武士の仕事部屋と部屋の格子戸
主屋内も、武士の部屋は、百姓の喜多家の主の部屋の床よりも高く作られています。勝手に入ることも許されていませんでした。武士の仕事部屋には、大きな格子戸があります。この格子戸は台形の木で作られているため、家の中の武士は外にいる百姓を見ることはできますが、外の百姓からは中の武士の姿は見ることができません。随所に工夫がされていますね。
藩主専用の畳と「御座の間」
前田家藩主がお泊りになるとき、喜多家では、お迎えするにあたり「大式台」という玄関から「御座の間」という藩主専用の部屋へ案内します。その部屋までの畳は、藩主が畳の縁を踏まにように工夫がされています。十村屋敷の特徴を知れば当時の身分についても学ぶことができます。
喜多家資料館
併設する資料館には古文書や前田家にまつわる文化財が展示されています。能登の旧家で、興味深い発見ができるおすすめの場所ですので、ご当主の案内とともに重要文化財をお楽しみください!
この記事に関連するタグ
前の記事 一覧へ戻る 次の記事