長岡市民のパワースポット【蒼柴神社】

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画像提供 長岡観光コンベンション協会

長岡市民の心のよりどころ

長岡市悠久山にある蒼柴神社(あおしじんじゃ)は、享保7年、長岡藩4代目藩主牧野忠壽(まきのただなが)公が長岡城の本丸に一社を建立した由緒正しき神社。現在の社殿は天明元年、9代目忠精(ただきよ)公が造営しました。ご祭神は牧野忠辰(ただとき)公。忠辰は寛文5年に長岡藩2代藩主、牧野忠成の長男として生まれ、延宝2年に忠成の死去に伴い家督を継ぎ、長岡藩3代藩主に就任しました。就任当時は10歳だったため、大叔父の牧野忠清の補佐を受けました。同年には「諸士法制」十七条及びその付則「覚」11条が発布され、長岡藩士の次三男の召抱えや末期養子の制限が行われました。享保7年の死去後に神道を信仰した事から、京都の神道家吉田家より蒼柴霊神の神号が送られ、享保18年には明神、50回忌の明和8年には大明神に昇格しています。神社の神紋は「三つ葉柏紋」。これは牧野家の家紋でもあり柏は新しい芽が出るまで落葉しないことから「代が途切れない」という縁起物としても有名です。

不思議な力で守られています

厳かな雰囲気の参道 画像提供 長岡観光コンベンション協会

1868年の戊辰戦争時も光格天皇の勅額によって焼失回避、1945年の長岡空襲時も焼夷弾により周辺施設は焼失するも社殿は焼失回避、2004年の中越地震でも鳥居や灯篭がほぼ全て倒壊する中社殿の倒壊は免れるなど、不思議な力に守られているとしか思えない社殿ですが2006年には国の登録有形文化財にも指定されています。

人気マンガのゆかりの地

初詣には大勢の参拝客で賑わいます 
画像提供 長岡観光コンベンション協会

そんな不思議な力で守られている蒼柴神社は、幕末に暗躍した剣客が、維新後に流浪人として全国を旅しながら新たな時代での生き方を模索する姿を描き、人気少年雑誌に1994年~1999年まで連載されていた人気マンガのゆかりの地としてファンの間で知られ、御朱印目当てに参拝に訪れる人もいます。作者が長岡市の出身で作品内には新潟県の地名を思わせる登場人物も多数登場!この神社を含む周辺が『蒼柴の森』と呼ばれていることに由来しているキャラクターもいます。また境内には長岡藩家老、河井継之助らを祭った招魂社があり、河井継之助をモデルにした映画も2022年公開予定!招魂社をお参りする方も増えています。

3代藩主牧野忠辰公が愛した忠犬”しろ”

画像提供 蒼柴神社
社殿のすぐ脇には『忠犬しろ神社』があります。しろ神社は2018年に建立されましたが、2018年は戌年であり、長岡藩開府400年であることを記念し建立されました。ペット連れで一緒に参拝できる新たなスポットになってます。お賽銭入れのそばにはリードフックも完備!ペットも一緒に「しろ像」間近まで行ってお参りできます。

忠犬しろとは

リードフックもあります 
画像提供 蒼柴神社

忠犬しろとは3代藩主牧野忠辰公が譲り受けた大きく勇敢な白い犬(秋田犬と思われる)で、参勤交代で江戸に赴くときも主人の籠を追い、殿様はことのほか喜び”しろ”をたいそう可愛がりました。ところがある時、江戸の牧野家屋敷の前を尾張候の大きな唐犬が通りかかり”しろ”に襲い掛かりました。それまでじっと耐えていた”しろ”は勇敢に反撃し唐犬を追っ払います。しかし時は生類憐みの令が発布された前後の5代綱吉の世。犬のケンカといっても、相手は将軍家の親戚にあたる尾張候の犬。殿様は”しろ”に「こんなことをするようでは、江戸の屋敷には置いておくわけにはゆかぬ」ときつく叱りました。”しろ”は大好きな殿様に国元に帰るよう命じられたと思い、参勤交代で通った道をとぼとぼと長岡に向かいます。江戸から約76里(300㎞)離れた長岡に着いた”しろ”は元の飼い主である中沢村の善兵衛の家に行きましたが「殿様に差し上げたのだから、殿様の許しがなければ家には入れないのだよ」と城に帰るように諭されます。しかし”しろ”は城には戻らず少し離れた丘で、数日間悲しく泣いていました。まもなく江戸から”しろ”が戻っていないかと問い合わせが城や善兵衛に届きました。江戸での経緯を聞いた善兵衛は、数日前に鳴き声のした方向を探すと、小高い丘の上ですでに息絶えていました。

大好きな殿様といつまでも一緒に

全国でも珍しい犬のお守り、犬おみくじもあります 画像提供 蒼柴神社

善兵衛は、はるばる江戸から戻ってきた”しろ”を哀れに思い、亡くなった丘に塚を築き手厚く葬ったと言われています。悠久山に向かう途中にある『白狗(しろいぬ)の塚』がその塚だと言われています。それからおよそ100年後の天明元年に忠辰公は蒼柴神社に祀られることになり、この塚とは目と鼻の先に移ってきました。そして時を経て2018年に長岡藩開府400年であった事から、長岡の歴史を後世に伝えるために3代藩主・牧野忠辰公につかえた忠犬”しろ”を祀り『しろ神社』は建てられました。今日も”しろ”は大好きな殿様と悠久山を駆け回っているのでしょう。

蒼柴神社ホームページ
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