色鮮やかな飾りが美しい【仙台七夕まつり】

宮城
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2022/07/15

仙台七夕は、伊達政宗公の時代から続く伝統行事として受け継がれています。日本古来の優雅な飾りや豪華なお祭りとしても有名です。七夕まつりは本来、旧暦7月7日の行事として行われていましたが、旧暦の行事を新暦で行うと季節感が合わなくなるため、新暦に1ヵ月を足した暦である中暦を用い、現在の8月6日から8日に開催されています。毎年手作りされる豪華絢爛な笹飾りが特徴で、各商店街が長さ10メートル以上の竹を山から切り出し、飾りつけが行われます。期間中は、仙台市内中心部および周辺の地域商店街をはじめ、街中が色鮮やかな七夕飾りで埋め尽くされ、多くの観光客で賑わいます。ぜひ足を運んでその雰囲気を楽しんでみませんか。

仙台七夕まつりの歴史

七夕は奈良時代の頃に中国から伝えられたといわれており、仙台では伊達政宗公が子どもたちの書道や裁縫の上達を願って七夕をすすめたそうです。仙台の街に七夕飾りが飾られるようになり、人々の間に広がっていきました。
七夕まつりは本来、旧暦の 7月7日に行われ、8日の朝に飾り物をつけたまま川に流されていました。手習・手芸の上達を願ったり、農家では藁などで七夕馬をつくって屋根に上げ、豊作を祈ったそうです。仙台では、七夕の笹のついた竹は、その小枝を落とし物干竿に使用し、小枝は七夕飾りのついたまま広瀬川に笹を流していました。このような七夕まつりも、年々行われなくなり、第1次世界大戦後の不景気で衰退しました。不景気を吹き飛ばそう！と昭和2年に有志達が華やかな七夕飾りを復活させ、街にはその光景を一目見ようとする人であふれましたが、再び起こる戦争により七夕飾りは街から消えてしまいました。終戦の翌年（昭和２１年）に七夕飾りが立てられ、人々は涙を流して喜んだそうです。現在では観光イベントになり、全国各地から多くの観光客が訪れ賑わいを見せています。

仙台七夕の七つ飾り

七つの飾りにどのような願いが込められているかご存知でしょうか？商売繁盛、無病息災、健康長寿…などの様々な願いが込められています！ここで、七つの飾りについてご紹介したいと思います。

★短冊（学問や書道の上達）
昔は早朝にカラトリ（サトイモ）の葉にたまった夜露で墨をすり、和歌を書いて学問や書道の上達を願ったそうです。

★紙衣（病気や災難の厄除け、裁縫の上達）
和紙で作られた着物は、裁縫の上達を願いながら病や災いの身代わりとして飾られています。この紙衣には、子どもが無事に育つよう、身代わりに流す形代（かたしろ）としての意味も込められています。

★折鶴（家内安全と健康長寿）
昔は延命長寿の願いをかけ、一家の最年長者の年齢の数だけ折り、長生きを願いました。

★巾着（商売繁盛）
商売繁盛や金銭に不自由しないことを願いながら、節約と貯蓄の心を養う巾着です。

★投網（豊漁・豊作）
投網とは、魚をとるための網。食べ物に困らないよう、仙台近海の豊漁と豊作を祈願しています。たくさんの幸運を投網で寄せ集めるという意味も込められています

★屑篭（清潔と倹約）
七つ飾りをつくるときに出た裁ちくずや紙くずを集めて、屑篭の中へ。ものを粗末にせず、清潔と倹約の心を育てます。

★吹き流し（織姫の織糸）
昔の織糸を垂らした形をあらわし、機織りの名手である織姫を象徴しています。手芸や機織りなどの上達を願って飾られます。七夕飾りの中でも大きな目玉の１つともなっているくす玉は諸説ありますが、昭和21年ころ、庭に咲く美しいダリアの花に目を留めた仙台商人が、どうにかして七夕飾りに利用できないかと考えて今の豪華な吹き流しの姿になったと言われています。