上野駅さんぽ・その7 不忍池の蓮の花は今が見頃です【上野恩賜公園】 

  • 東京
  • 観光する

夏真っ盛り!不忍池の蓮も真っ盛りです!

上野恩賜公園内にある不忍池。蓮の名所として知られていますが、今まさに一面緑の葉で覆いつくされた池にピンク色の大輪がいっせいに咲き出しています。不忍池は、「蓮池」「鵜の池」「ボート池」3つの池からなっていますが、蓮がみられるのはボート池以外。池にせり出した蓮見デッキから撮影するのがオススメです。

おすすめ鑑賞スポット「蓮見デッキ」

不忍池南側にある浮桟橋、蓮見デッキ。右を向いても左を向いても蓮!蓮!
蓮見デッキからは蓮を間近で観られますよ。
蓮見デッキ先端から不忍池辯天堂を臨む。2022年7月9日午前10時半ごろ撮影。

不忍池の蓮はいつだれが植えたの?

不忍池にいつだれが蓮を植えたかはわかっていません。しかし、こんな一説があります。不忍池に琵琶湖の竹生島に見立てて中島を造った天海僧正(てんかいそうじょう)、水谷伊勢守(みずのやいせのかみ)。彼らが、琵琶湖に蓮が咲いていたのを知っていて、不忍池に蓮を植えさせたのではないかというものです。実際、江戸時代に描かれた「近江名所図屏風」には、琵琶湖の名勝・近江八景が描かれていますが、琵琶湖畔に蓮が群生していて観蓮会を行っている様子も描かれているのです。琵琶湖畔の草津市の烏丸半島は、数年前まで蓮の群生地として夏は多くの人でにぎわっていました。だれが植えたのかいまだ詳細はわかっていませんが、上野の地にこんなに素敵な夏の風物詩を与えてくれたことに感謝です。

朝咲いて昼すぎに閉じる。蓮の命は4日間

蓮の花は早朝に咲き始め、午後には閉じてしまうそう。蓮の花言葉に「休養」という言葉があるのも納得ですね。お昼すぎに花が開いている蓮があったらそれは、その日を最後に散ってしまうお花なんだそうです。早朝に開き、午後に閉じる。これを3日間繰り返し、4日目には夕方ごろまで咲き続け、散っていく。はかないからこそ美しさもひとしおに感じますね。
こちらはつぼみなので、明日も咲くお花ですね。

【開花初日】

早朝5~6時頃からゆっくりお花が開きはじめます。4~5センチほど開花するとそれ以上開かず、8時頃から閉じはじめ元のつぼみの状態に戻るんだそう。(お花の開き具合は種類によります)

【2日目】

夜中から少しずつ開きはじめ、午前7~8時頃までには開きます。この時のお花の様子がもっとも美しい時。お花は8時頃から閉じはじめ、お昼頃までに元のつぼみの状態に戻ります。

【3日目】

3日目も夜中から開きはじめ、8時頃までには完全に開ききって、花径が最大になります。お昼頃から閉じはじめますが、完全には閉じず、半開のまま4日目を迎えます。

【4日目】

4日目も夜中から咲きはじめ、6~7時頃までに完全に開ききり、早いものは9時頃から、外側の花弁から散りはじめ、午後には全部散ってしまいます。

蓮は花が開くときに音が鳴る!?

蓮は花が開く瞬間に「ポン」「パン」などという音が鳴る、というウワサを聞いたことはありませんか。嘘か誠か、過去に不忍池で「開花音論争」が繰り広げられたことも。仏教と深くかかわる蓮の花。蓮の開花音を聞いて悟りを開くというようなことも昔から言われていたそうです。江戸時代のころから俳句にも詠まれています。お花の開く音を聞くなんて、なんとも日本人らしい風流がありますよね。もし、聞いたことがあるという方がいたら、どんな音がしたのかぜひ教えてくださいね。
蓮開く 音聞く人か 朝まだき /正岡子規

蓮池の奥に見える「不忍池辯天堂」

蓮池・ボート池、不忍池辯天堂
不忍池辯天堂

不忍池辯天堂は、寛永寺を創建した天海僧正によって建立されました。「見立て」という思想によって設計された寛永寺のお堂の一つです。不忍池を「琵琶湖」に、またそこにあった小さな島を琵琶湖の「竹生島」に見立て、竹生島の「宝厳寺」に見立てたお堂が不忍池辯天堂です。


当初はお堂を参拝するのに船を使用していましたが、参詣者が増えるにともない江戸時代に橋がかけられました。


辯天堂にお祀りされるご本尊さまは「辯才天」です。音楽と芸能の守り神として広く信仰されています。

不忍池辯天堂の絵馬には蓮の花がデザインされたものも
上野の夏の風物詩「不忍池の蓮」。お出かけの際はぜひ、不忍池の周囲をゆっくりお散歩してみてはいかがでしょうか。
この記事に関連するタグ
前の記事 一覧へ戻る 次の記事
関連記事