賢治の夢が・世界が一年ぶりに復活!~SL銀河号~【鉄旅オンライン】

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写真提供 JR東日本
岩手県花巻から釜石を結ぶ釜石線。沿線には花巻・イギリス海岸、花巻温泉、ライトアップの美しい宮守橋梁、民話の里・かっぱ淵で知られる遠野、鍾乳洞の滝観洞と、リアス式海岸の釜石と沿線には観光地が点在しており、魅力あふれる観光路線と言えます。そんな釜石線では1年間の点検整備を経てSL銀河号が8月に1年ぶりの復活運転となり、地元の方々の期待は非常に大きく鉄道ファン・旅行ファン・宮沢賢治ファン・沿線のみなさまは運転の再開を今や遅しと待ちわびています。

SL銀河、その由来とは・・・・?

『銀河鉄道の夜』に登場する星座や動物が!ブルーに見える塗装も実は8色!

1号車はさそり座をイメージ 写真提供 JR東日本
4号車から3号車にかけてフクロウやサギ
写真提供 JR東日本
白鳥座が描かれる3号車
写真提供 JR東日本
各号車には、『銀河鉄道の夜』に登場する星座や動物がモチーフとなり描かれています。一見すると青や紺に見えますが、実は8色に塗り分けられており、夜から朝へと変わりゆく空が表されています。

宮沢賢治の世界に触れるギャラリー

SL銀河号、それは言うまでもなく岩手県・花巻に生まれイーハトーブ岩手を愛した宮沢賢治の作品『銀河鉄道の夜』に由来しています。『銀河鉄道の夜』は釜石線沿線が舞台とされ、列車内も全体的に『銀河鉄道の夜』がテーマとなっており、物語の世界観に触れることができます。路線の愛称には銀河ドリームライン釜石線と名が付けられ、各駅の駅名標にはエスペラント語という賢治の愛用した言語が記されております。SL銀河で釜石線を旅することは宮沢賢治が描いた世界観を共有し体験すること、と言えるでしょう。
1号車 月と星のミュージアム 
写真提供 JR東日本
2号車 イーハトーブと賢治
写真提供 JR東日本
車内空間・インテリアは宮沢賢治の生きた大正・昭和の時代感を再現。ステンドグラスやガス灯照明、南部鉄器風の荷棚、欧風なレトロ車内など。1号車では『銀河鉄道の夜』の中で月や星座が登場する印象的なシーンの紹介が、2号車ではイーハトーブと賢治の軌跡や、ライブラリーコーナーでは詩集や童話・評論などの書籍が閲覧でき、賢治の世界にしばし没頭できます。
4号車SLギャラリー
写真提供 JR東日本
SLのギャラリーの大型ソファ
写真提供 JR東日本
SLギャラリーや、ショップのある4号車。
写真提供 JR東日本
アーチ装飾とステンドグラスが各ボックスごとに配置。
写真提供 JR東日本
4号車は特にギャラリーが充実している車両です。宮沢賢治の多才ぶりが伝わるギャラリー。そしてSLギャラリーとしてC58機関車の製造風景、岩手県営運動公園にて保存展示から1年間にわたる復元工事、復活までの写真が飾られています。座席は全て向かい合わせとなるボックスシート、物語のワンシーンのような座席に腰を下ろし今年の夏は、賢治が愛した車窓風景をゆったり眺めながらイーハトーブ岩手の旅を楽しんでみませんか?

SLの持つ素晴らしさも見逃せない!

SL銀河号を当たり前のように紹介してきましたが、SLに乗っての旅行ができること自体、全国見回しても実に希少。宮沢賢治にまつわるもの、イーハトーブを肌で感じ取って欲しいのと同時に、SLで旅行する事そのものにも非日常と言う価値を感じてみてはいかがでしょう。機関車の発する煙、ポーっという音、走行する田園地帯をはじめとした日本の原風景としての一体感・調和、手を振ってくれる沿線の方々の温かな気持ち、想い。日本の素晴らしさを実感できる素敵な時間がそこにはあるのです。そして、「また今度岩手に来たい」、「宮沢賢治の作品、人物に興味が湧いた」そんな風に感じて貰えたら何より幸いです。
写真提供 JR東日本
写真提供 一般社団法人東北観光推進機構
宮守駅から徒歩10分にある宮守川橋梁、通称めがね橋。銀河鉄道の夜に因んだビューポイントとして親しまれる半円アーチ状の橋で、車窓スポットとして、撮影スポットして人気の場所です。

SL銀河良いな、乗りたいという方は・・・。

紹介してまいりましたSL銀河号に乗ってみたい、と思っていただけたら何より幸いです。
このSL銀河乗るためには、全車指定席のため、通常の乗車券のほかに、指定席券が必要です。入手をするには、発売開始日である乗車の1か月前にみどりの窓口で購入しなければなりません。また、えきねっとでは事前受付も行っているのでぜひ試してみて下さい。
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