上野駅さんぽ・その6 土用の丑の日は江戸前の老舗へ!

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森鷗外や谷崎潤一郎をはじめとする文士や、立川談志などの多くの著名人にも愛されてきた看板メニューの鰻重。

もうすぐ土用の丑の日がやってきます。今年は7月23日(土)と8月4日(木)の2日間です。そこで!上野に昔からある有名な鰻割烹をご紹介します。

正面玄関には昇降機があり、バリアフリーにも対応。

「上野の鰻」ですぐにどこのお店か思い浮かぶ方もいらっしゃると思いますが…、今回は上野恩賜公園の不忍池を臨む場所にある、伊豆榮(本店)さんにおじゃましました。こちらの歴史は古く、江戸時代中ごろ、徳川八代将軍吉宗公の頃に、現在の本店が建つ上野池之端で始まりました。その時代、良質な鰻が上野界隈では捕れ、蒲焼屋が建ち並んでいたそうです。かつて東京が江戸と呼ばれていた時代、「江戸前」と言えば鰻の代名詞でした。300年経った今でもこちらではその「江戸前」が受け継がれています。

それでは早速店内へ!

7階の洋間大広間。
7階の店内からは不忍池が見渡せます。
砂糖を一切使用しない、江戸っ子好みの秘伝のたれ。しっかりとコクがありながらも、すっきりとしたキレのあるたれが特徴です。

伊豆榮さんで使用している鰻は、できるだけ自然に近い環境で特別に育てられた、愛知県三河一色産の「三河鰻咲(みかわまんさく)」というブランドです。肉厚でほどよく脂がのった身に旨味を蓄え、ふっくらと柔らかい蒲焼きに仕上がります。その鰻の美味しさを最大限に引き出すのが熟練の職人たち。江戸前の鰻は、炭火で焼いた後に蒸し上げて余分な脂を落とし、その後たれに浸して焼き上げます。鰻職人は俗に「裂き三年、串八年、焼き一生」と言われ、微妙な焼き加減一つでその仕上がりに大きな差が生まれるそうです。伊豆榮さんでは、「焼き」の技術を受け継いだ熟練の職人さんが、ふっくら香ばしい蒲焼を生み出しています。

いざ実食!

駅たびコンシェルジュ上野のスタッフが実際に鰻重をいただきました
鰻を口に入れた瞬間、ふわっと香ばしさが広がり、噛めば噛むほど旨味が出てきて臭みも全くなくとても美味でした。たれに砂糖を使用していないため、あっさりしており、暑い夏でも食が進みます。今度は白焼も食べてみたい!
本店の他、周辺に2店舗あります。こちらは上野恩賜公園内にある、梅川亭。
こちらは、本店と同じ通りにある不忍亭。
歴史を感じながら食事するのも風情がありますね。みなさんもぜひ、長きにわたり愛され続ける味をこの機会に堪能してみては?
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