ダム建設の物語と四季折々の雄大な渓谷美【恵那峡】

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秋の恵那峡(写真提供:岐阜県観光連盟)
「恵那峡」は、岐阜県恵那市と中津川市を流れる木曽川を約100年前に大井ダムによってせき止めてできた人造湖です。両岸には奇岩・怪石が立ち並び、春にはさざなみ公園の約200本の桜や美しいツツジ、夏には濃緑に赤い恵那峡大橋が映え、秋にはモミジ、カエデなど紅葉が湖面を彩ります。冬には雪景色にオシドリやムクドリなどが飛来し、バードウォッチングもできるなど、四季を通じて楽しめるのが恵那峡の魅力です。
軍艦岩(写真提供:恵那市観光協会)
大正時代にダムが建設されるまで、この付近の木曽川は大きな岩がごろごろした急流でした。水力発電には絶好の地形と豊富な水量に着目した「電力王」の福沢桃介は、果敢にもダム建設を試みましたが、度重なる洪水で資料などが流出し、難工事を極めました。しかし、当時の伴侶、川上貞奴の援助が功を奏し、苦難を乗り越えてダムが完成。このダムによってできた湖は、漫々と水をたたえ緑美しい県立自然公園として世に知られるようになりました。「恵那峡」という名前は、大正9年に世界的に有名な地理学者である志賀重昂氏によって命名されたもので、その後多くの文人、文化人に愛される場所となり、恵那峡公園内には記念碑も残されています。
恵那峡さざなみ公園(写真提供:恵那市観光協会)
2020年3月には子供と一緒に楽しめる「さざなみ公園」や、ゆったり歩く事ができる遊歩道「湖畔・森林散策路」などがリニューアルし、峡谷美を眺めながら過ごせるウッドデッキや恵那峡の歴史を紹介するビジターセンターも建設されました!遊覧船に乗って恵那峡を巡ることもでき、地上から眺めるのとはまた違った恵那峡を楽しめます。高速ジェット船で付知川との合流点、品の字岩まで約30分間の恵那峡クルージングでは、船の窓から眺める大パノラマの恵那峡、両岸にそそりたつ軍艦岩、獅子岩、屏風岩、品の字岩などの奇岩・怪石や季節ごとに移り変わる自然の景観は、船内に流れるアナウンスと相まって、見るたびに新しい発見があるかも。
品の字岩と遊覧船(写真提供:恵那市観光協会)
山間を燃ゆるような紅色や鮮やかな黄色で染める秋の恵那峡は、1年で一番、色彩が豊かな季節です。 紅葉の見頃はだいたい11月中旬~11月下旬頃。遊覧船から見る水面に映る紅葉もまた趣があって心が和みます。雪が降った日は奇岩怪石がまるで水墨画のように。気温が氷点下になるとダム湖に氷が張ることもあり、船が氷を割って進むのも圧巻です。12月~2月にかけて渡り鳥たちが遊覧船のコースとなる水辺にやってきて、この時期にしか出会えない情景を見せてくれますよ。
【恵那峡クルーズ】について、詳しくは公式ホームページをご確認ください。
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