岩手・花巻の大償神社に伝わる民俗芸能【大償神楽】

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「大償神楽」(画像:山の神舞)

「大償(おおつぐない)神楽」とは?

大償神楽は岩手県花巻市大迫町内川目地区の中の大償地区に伝承する神楽のことで、大償神社の奉納神楽です。大償神楽と並び、早池峰神社の奉納神楽である岳(たけ)神楽も存在し、この2つの神楽を総称したものが「早池峰(はやちね)神楽」と呼ばれています。

「早池峰神楽」は、資料記録等の現存はないものの、残された伝授書等からそのはじまりは南北朝時代にまで遡ると考えられており、500年以上の伝統を持つ非常に古い神楽であると言われています。また早池峰山を霊場とする山伏によって代々舞い継がれてきたとされ、祈祷の型などを神楽の中に取り入れていることから「山伏神楽」とも呼ばれています。明治時代以降になり、一般の人々が伝承するようになりました。

早池峰神楽は、舞の中に「能」大成以前の古い民間芸能の要素を残していることから、中世芸能の香りを伝える希有な神楽として、1976年に国の重要無形民俗文化遺産に登録されました。その後、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。

「大償神楽」と「岳神楽」の違い

「早池峰神楽」と総称されている大償神楽と岳神楽。この神楽には、大きく2つの違いがあると言われています。

① テンポ

大償神楽

七拍子を基調とし、テンポがゆるやかで「優雅」と評される。

岳神楽

五拍子を基調とし、テンポが速く「勇壮」と評される。

② 神面

演目で使用される山の神の面にも違いがあります。これは、両神楽が表裏一体をなしているからだと言われています。

大償神楽

口を開けた「阿(あ)形」

岳神楽

口を閉じた「吽(うん)形」

違いがあると知ると、実際に鑑賞してみたくなりますね♪
「天照五穀」より(俗称:女五穀)

「大償神楽」の演目

大償神楽の演目はなんと40番以上のものから成り立っています。演目は短いもので15分程度、長いものだと40分以上になるものも。

各公演にて演目は変わりますが、どの演目でも「権現舞(ごんげんまい)」を最後に舞うことが決められています。権現舞は、獅子頭(権現様)にその神仏が遷っているとされ、この世のあらゆる災いを祓い人々の安泰を祈祷するものとして特に重要な舞です。公演時には鑑賞客が壇上にあがり権現様に頭を噛んでもらうシーンがあり、ここにも人々の信仰が表れた演目となっています。
権現舞(ごんげんまい)

大償神楽の装束・道具を一部紹介

兜(かぶと)

兜は舞手が頭につけるもので、いくつかの種類あります。最も代表的なものが「鶏かぶと」と言われるものです。鶏かぶとは兜に雌雄の鶏の飾りが付いていることに由来します。両側には大きな「しころ板」と呼ばれる羽が付いており、しころ板には「鯉の滝登り」「波に千鳥」「鶴亀に松」といったおめでたい模様が描かれています。
「天照五穀」より(俗称:女五穀)

御面

大償神楽には面を付けて舞う演目、付けずに舞う演目とがあります。面には神が宿っているため、舞手は神の化身となって祈祷などを行います。一部の舞では、後半になると舞手が面を外し早い舞を舞います。これは、舞手が人間に戻って神様に捧げる喜びの舞であると言われています。
「天熊人五穀」より(俗称:男五穀)

採物

神楽を舞う際に、舞手は道具を身に着けたり持ったりして登場します。この道具を総称して「採物」と呼びます。ほぼ全ての演目で使用されるのが、扇・鈴木・太刀の3種類です。「鈴木」とは、木棒の先に麻糸の房と鈴がついた道具のことです。その他には、剣や弓矢、木槌等、多くの採物を演目ごとに使い分けます。

クジ

舞手の多くは両中指に紙紐で結んだ「クジ」と呼ばれるものを身に着けており、クジを付けた神様=祈祷が出来る神様とされています。

衣装1つにも色々な意味が込められていて面白いですよね。鑑賞する際は衣装にも注目すると更に楽しめるのではないでしょうか?

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