海も山も、街並みも。富山で出会う絶景と癒し

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「あいの風は幸せを運ぶ風」 富山には、穏やかな空気と美しい景色があふれています。

心を整える場所を探して

忙しい毎日から少し離れて、自分の心を整えたい。そんなときに選びたいのが富山です。海も山も美しい街並みも、移動時間をかけずに楽しめる富山は、まさに“心を充電する旅”にぴったり。トロッコ電車や庄川峡遊覧船といった、かつて物資を運ぶために使われていた乗り物に乗れるのも富山ならではの面白さです。歴史や自然、そして美味しい食と温泉に出会う時間は、きっと心に余白を与えてくれるはずです。

豪快に味わう、栄食堂のたら汁

富山湾沿いに広がる「たら汁街道」で出会える名物料理、それが「たら汁」です。新鮮なスケトウダラをぶつ切りにし、肝や白子とともに味噌で煮込んだ漁師料理で、素朴ながらも力強い味わいが魅力です。ゴボウやネギを薬味程度に添えるだけで、味の決め手はタラから染み出す旨みと富山の白味噌。漁師の女房たちが浜辺で作った朝食が発祥とされ、今では町を代表する郷土料理となっています。
心も体も温まる、豪快なたら汁。海辺の食堂で出会う素朴な一杯は、旅の記憶に深く刻まれます。
訪れた「栄食堂」は、昭和44年から同じ銘柄の味噌を使い続ける老舗。アルミ鍋で豪快に提供されるたら汁は、ふたを開けた瞬間に立ち上る湯気と香りに食欲をそそられます。豪快な見た目とは裏腹に、ふわふわの身とタラの旨みが染み出した汁は驚くほどするすると喉を通ります。

ショーケースに並んだ小鉢を自分で選んで組み合わせるスタイルも楽しく、地元の人やドライバーたちに長年愛されてきた理由が伝わります。
お店全体に漂う温かな雰囲気が、訪れる人を包み込みます。
ショーケースに並ぶ小鉢は、まさに“おふくろの味”。素朴で温かい一品が旅の食卓を彩ります。

トロッコ電車でしか出会えない、黒部峡谷の大自然へ

トロッコでしか行けない黒部峡谷。吹き抜ける風と迫力ある景観に、心が躍ります。
宇奈月駅から出発する黒部峡谷トロッコ電車。今年度は猫又駅までの往復運行ですが、峡谷の美しさは十分に堪能できます。乗車口に向かう階段を下ると、目の前には小さなトロッコ電車。遊園地のアトラクションのような音を響かせながら走り出す様子は、まるで“冒険の始まり”を告げるかのようです。
遊園地のアトラクションのようなトロッコ電車がお出迎え。乗車前からわくわくが高まります。
最初の見どころは真っ赤な「新山彦橋」。橋を渡る瞬間、谷底まで見渡せるスリルと迫力に胸が高鳴ります。車内では富山県出身の室井滋さんによる音声ガイドが流れ、歴史や自然の魅力を知りながら進む楽しさも。窓のない車両に吹き込む風は心地よく、トンネルを抜けるたびに表情を変える峡谷の景観に目を奪われます。
真っ赤な新山彦橋を渡り、緑の峡谷を縫うように走り抜けます。
猫又駅では約20分間の下車が可能。展望台から峡谷を眺めたり、普段は見ることができない工事用車両を間近で見たりと、“今しかできない特別な体験”が待っています。駅名の由来は、猫に追われたネズミがどうしても岸壁を登れずに引き返し、さらに追ってきた猫もまた同じように引き返したため、この付近は「猫もまた・・・猫も又・・・」→「猫又」と呼ばれているそうです。猫又駅より少し手前で、「ねずみ返しの岩壁」と呼ばれる大岩壁を見ることができます。日本で唯一「猫」の字が入った駅名というのもユニークです。駅にはオリジナルキャラクター「またにゃん」も登場し、限定グッズの販売も行われています。

帰りの電車に乗り込むと、スタッフが“猫ポーズ”でお見送り。遊び心あふれる演出に自然と笑顔がこぼれます。普段の生活では味わえないワクワク感と、肌で感じる大自然の空気は、この旅ならではの特別なご褒美です。
普段は出会えない風景に、思わず笑みがこぼれます。
今だけの限定商品も登場。旅の思い出にぴったりです。
また、宇奈月駅周辺には旧山彦橋が遊歩道として整備されており、ここから眺める新山彦橋とトロッコ電車の姿は絶景。峡谷美を背景に走る車両を撮影しようと、電車の時間に合わせて多くの人がカメラを構える人気のスポットです。橋を渡り切るとノスタルジックな雰囲気のトンネルが現れ、物語の世界に迷い込んだような魅力に包まれていました。宇奈月駅から手軽に歩ける距離なので、車窓とはひと味違う景色を楽しむのにおすすめです。
物語の世界に迷い込んだような空間に、思わずドキドキします。
ノスタルジックなトンネル越しに眺める風景も、趣たっぷり。
黒部峡谷トロッコ電車

香りと植物に包まれる、ヘルジアンウッドの癒し体験

立山連峰の麓に広がる「ヘルジアンウッド」は、創業67年の老舗製薬会社が手がける美と健康の複合施設です。長年にわたり皮膚疾患向けの塗り薬を作り続けてきた会社が、新たに挑戦したのは「薬に頼らず、健康になれないか」「香りで人の健康を支えられないか」という発想。医薬品の研究開発から生まれた、この熱い思いこそが施設の原点になっています。
立山の自然に包まれ、香りとハーブで心と体を整える「ヘルジアンウッド」。ここでしか味わえない癒しのひとときが広がります。
敷地内にはアロマ工房があり、専門スタッフによるセミナーやワークショップが人気です。香りを通して自分の体調を見つめ直すきっかけになり、「今の好みの香りで体の疲れが分かる」というハーブの奥深さを知ることができます。店内ではオイルなどのグッズの購入や、発酵ドリンク「Kombucha」をカップサイズで購入することができ、気に入ればボトルでの購入も可能です。
店内にある蒸留器で製造したアロマを購入することができます。
レストランでは、富山の食材をふんだんに使った「フレンチ薬膳」を提供。ハーブに造詣が深いシェフが、自らガーデンでハーブを摘み、彩り豊かな料理へと仕上げます。テーマは「旅するように、季節を食す」。一皿ごとに五感を解きほぐすような味わいで満たされます。

また、施設内のスパではアロマを贅沢に使用したオリジナルトリートメントが体験できます。幸せな香りに包まれながら心身を解きほぐす特別なひとときで、癒しの時間にもぴったりです。

屋外には木組みの三角屋根が特徴的なイベント広場があり、まるで絵のような景色を楽しむことができます。マルシェやコンサートも開催され、ウェディングで使用されることもあるそうです。季節ごとに表情を変えるハーブガーデンも見どころで、6月にはラベンダーが一面に咲きほこります。ハーブ摘み取り体験は特に人気で、イベントの際は早目のご予約がおすすめです。
The Field
立山連峰の三角形の稜線に溶け込むように設計された建物。(写真提供:(公社)とやま観光推進機構)
さらに注目は、土の中に造られたサウナホテル。蜂の巣を模した「ハニカム構造」の建物は、足元からじんわり温まる工夫や、ハーブの蒸気(ハーブのロウリュウウォーター)をお楽しみいただけます。
Healthian-wood (ヘルジアンウッド)

街に広がる絶景。富山のオアシス「富岩運河環水公園」

晴れた日には、立山連峰を一望できる絶景が広がります。(写真提供:(公社)とやま観光推進機構)
富山駅北口から歩いて約10分の場所に広がる「富岩運河環水公園」は、街の中心部とは思えないほど自然にあふれる癒しのスポット。晴れた日には展望塔から、立山連峰と富山の街並みを一望でき、その雄大な景色に思わず息をのみます。
公園を流れる運河は、かつて北前船交易で栄えた富山市北部の岩瀬エリアとつながっており、運河クルーズ「富岩水上ライン」で岩瀬エリアまで遊びに行くこともできます。約1時間の船旅では、公園の雄大な景観に癒され、「中島閘門」の水上エレベーターにワクワクしながら、クルーズならではの爽快な旅を楽しめます。
地元ガイドさんによる富山の歴史や文化の話も興味深く、聞けば聞くほど旅が深まります。
富岩水上ラインでは、ヨーロッパ由来の水運技術を体験。ガイドさんの軽快なトークも旅の楽しみのひとつです。(写真提供:(公社)とやま観光推進機構)

海と立山を一望する絶景宿「うみあかり」で過ごすひととき

雄大な立山と日本海に抱かれるように建つ「うみあかり」は、景色が自慢の温泉宿。シックな印象のロビーは落ち着いた雰囲気で、到着した瞬間から旅の疲れを癒してくれます。チェックイン後は21時までコーヒーとソフトクリームを自由に楽しめるサービスがあり、ひと息つくのにぴったりです。
朝7:30~11:00も提供されるコーヒーで、ゆったりとしたひとときを。
夕食は、海を一望できる深海ダイニングの「ダイニング海」と新鮮な海の幸を火焔で食す「ダイニング炎」、個室でのお食事を楽しむ「ダイニング月」の3つからスタイルを選べます。今回はダイニング海の「ひみ懐石」をご紹介します。色鮮やかな前菜は富山の恵みをぎゅっと詰め込んでおり、心を奪われます。前菜の後は、氷見牛や氷見うどんがイタリアンテイストで登場。名物の新しい表情に出会えます。「楽しませたい」という心遣いと創意工夫が詰まった料理の数々は、まるで宝箱をひとつずつ開けていくような感覚です。

また、日本酒を小瓶で注文すると、高岡市の老舗メーカー・能作のすず製品「ぐい呑み」で提供されます。手に取るとひんやりと冷たく、口に含めばお酒の味わいが一層まろやかに。料理の感動に続き、贅沢な体験となります。
キラキラと輝く前菜。
そして「うみあかり」の大きな魅力が、富山湾を望む展望大浴場。昼はまるで絵画のような海と立山連峰の景色を、夜は街の灯りに包まれた幻想的な眺めを楽しめます。早朝には、富山湾越しに立山連峰から昇る朝日を見ることができ、刻一刻と変わる景色に心を奪われます。
どこまでも広がる海を眺めながら、いつまでも浸かっていたくなる露天風呂。
晴れた日にはこのように海越しの立山連峰が見えることも…!
氷見温泉郷 くつろぎの宿うみあかり

色に包まれる、チューリップ四季彩館

足を一歩踏み入れると、映るものすべてがチューリップの世界。四季の花々とのコラボレーションも楽しめます。
砺波といえばチューリップの町。そのシンボルともいえるのが「チューリップ四季彩館」です。「一年中咲いているのは世界でここだけ!」という特別な場所。館内では常に咲いているチューリップが出迎えてくれます。展示される品種は季節ごとに花を入れ替えているため、訪れるたびに新しい出会いがあります。花に囲まれた穏やかな空気に心が弾みます。

館内の見どころのひとつが「パレットガーデン」。5,000本ものチューリップが並ぶ空間は、壁一面の鏡に映り込み、まるで万華鏡のよう。視線を動かすたびに色とりどりの花が広がり、思わず立ち止まって見入ってしまう不思議な体験ができます。チューリップを映すことだけを考えて作られた万華鏡は、フォトジェニックな写真を撮るのにぴったりです。
花の魅力を最大限に映し出す、特別なチューリップのための万華鏡。
さらに目を引くのが、タワー型オブジェ。500本のチューリップの切り花が360度を埋め尽くし、中に入ると視界いっぱいに花に囲まれます。下から見上げれば花が天井まで続くように感じられ、写真を撮る手が止まらないほどの華やかさ。
タワーの中に広がる整然と並んだチューリップに、目を奪われます。
知的好奇心をくすぐられる展示もあります。巨大な球根模型を使った「球根シアター」では、普段見ることのない土の中での成長の様子が映像とともに解説され、チューリップの仕組みを楽しく学べます。歴史や文化を伝えるパネル展示も充実しており、花を愛する人々が紡いできた物語に触れることができます。

また、リーフレットのQRコードを読み取ると、スタッフの方々が手がけた音声ガイドやテキスト解説が利用でき、展示をより深く理解できます。

足を踏み入れると、視界すべてがチューリップに彩られる「花の世界」。四季の花とのコラボレーションも行われ、訪れるたびに違った景色を楽しめます。
チューリップ四季彩館

味と会話を楽しむ、浪花鮨の富山湾鮨

富山湾は“天然の生け簀”と呼ばれるほど魚種が豊富で、新鮮な地魚を使った寿司はまさに旅のご褒美。その魅力を堪能できるのが、特別な寿司セット「富山湾鮨」です。旬の地魚を使った10貫と富山県産米のシャリ、さらに富山らしい汁物が必ずつき、価格は2,700円〜5,500円(税込)で食べられます。寿司の説明まで含めて初めて「富山湾鮨」と定義され、“富山に来た人だけの特別な味わい”を体験することができます。
新湊漁港の魚にこだわり抜いた浪花鮨。白エビをはじめ旬の地魚を握る寿司は、富山の魅力を存分に伝えてくれます。
「浪花鮨」は、新湊の地で半世紀以上続く老舗寿司店。大将は「家宝」と語る非売の“買参権”を持ち、毎朝4時に起きて新湊漁港の競りに自ら参加します。新湊漁港は魚の締め方や血抜きの丁寧さに定評があり、「富山県の魚がどこでも同じように美味しいわけではない」と大将のこだわりを感じます。

浪花鮨の寿司は、魚を選ぶ段階からお客さまの笑顔を思い描いているように感じます。港町ならではの気概と温かさに触れながらいただく富山湾鮨は、忘れられない一食となるはずです。

心を映す水鏡、庄川峡遊覧船の絶景クルーズ

深い山あいを縫うように流れる庄川。その美しい峡谷を進む「庄川峡遊覧船」は、ゆったりとした時間とともに四季折々の絶景を届けてくれます。新緑の季節はみずみずしい緑が川面に映り込み、秋には燃えるような紅葉、冬には水墨画のような雪景色が広がり、訪れるたびに違う表情を見せてくれます。

運航コースは2種類。小牧ダムから「船でしか行けない一軒宿」として知られる大牧温泉を結ぶ約1時間のコースでは、圧巻の峡谷美をじっくり堪能できます。もうひとつは長崎橋周遊コース。25分間のショートクルーズながら、庄川の魅力をぎゅっと凝縮した体験ができます。
神秘的な雰囲気の深い緑に包まれながら出航を待ちます。
川面を渡る風に吹かれ、自然の色に包まれながら過ごす静けさは、過去を振り返り、これからを考える余白をたっぷり与えてくれます。どこまでも続く山の稜線とエメラルドグリーンの水面を前に、心がすっと軽くなっていくのを感じます。

ここでしか出会えない光と影が織りなす風景は、日常に戻ってからもふとした瞬間に思い出す、大切な時間になるはずです。
庄川峡遊覧船で出会うのは、まさに「出会えてよかったと思える景色」。曇り空の日も、しっとりとした神秘的な表情に出会えます。
庄川峡遊覧船

旅の終わりに——心のバッテリーを満たして

自然や歴史に触れる旅は、気づけば心を軽くしてくれるもの。どこにいても望める立山連峰は、海や川、季節とともにさまざまな表情を見せ、写真を撮る楽しみも広がります。さらに富山は企業の創設者を多く輩出した地でもあり、工場見学で新しい学びを得ることも可能。遊びや体験に夢中になりがちなファミリー連れでも、自然を楽しむことと遊びを楽しむことを両立できるのが魅力です。

そして富山駅周辺だけでも、電車に揺られて街並みを眺め、美味しい日本酒や食べ物に舌鼓を打ち、ガイド付きで歴史を知ることができる富岩水上ラインに乗り、富岩運河環水公園でゆったり過ごす——そんな濃く充実した時間が待っています。“出会えてよかったと思える景色”とともに、心のバッテリーをしっかり充電して、また新しい日常へ。次の旅先に、富山を選んでみませんか。

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