長野・松本の名湯【白骨温泉 湯元齋藤旅館】で掛け流しの湯と信州の味覚を楽しむ

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【白骨温泉 湯元齋藤旅館】外観

3日入れば3年風邪をひかない?

JR松本駅から電車とバスを乗り継ぎ、深い山々に囲まれた地に湯が湧く白骨温泉。都会の喧騒を忘れられるとともに、四季の移ろいを感じられ、古くから湯治客に愛されてきました。そんな白骨温泉は「3日入れば、3年風邪をひかない」という言い伝えがあるほど効能の高い温泉です。乳白色のお湯は肌に優しい弱酸性で、硫黄と炭酸成分が多く、血管を拡張し身体をポカポカと温めてくれます。

実はこのお湯、最初は透明で徐々に白く濁っていくのです。その秘密など白骨温泉についての詳細は以下の記事を読んでみてくださいね!

「和」を感じる宿【白骨温泉 湯元齋藤旅館】

白骨温泉のほぼ最深部に佇むのが【白骨温泉 湯元齋藤旅館】。雄大な自然の中で過ごす秘湯の休日は日頃の疲れを癒せること間違いなしでしょう。寛ぎのお部屋、癒しの湯、そして美味しい信州の食材・・・。
それぞれが織りなす【白骨温泉 湯元齋藤旅館】ならではのひとときを実際に宿泊してきましたので、ご紹介いたします!
【白骨温泉 湯元齋藤旅館】公式ホームページ

16:00 チェックイン

JR松本駅からどんどん山道に入っていき、白骨温泉へ向かいます。深まる山々に多少の不安を覚えつつもワクワクした気持ち、旅の始まりを感じさせます。進んでいくと白骨温泉の看板がありました。ここは中部山岳国立公園内。付近には上高地や乗鞍高原など見どころが多く、周辺観光と併せての宿泊もおすすめです。

いよいよ【白骨温泉 湯元齋藤旅館】へ到着。立派な佇まいに圧巻です・・・。扉をくぐると、和を感じる木造建築でモダンな雰囲気、非日常感があります。ロビーもシックな家具を中心とした造り。どこにいても落ち着けるおとなの空間で居心地の良さを感じます。
お部屋まではスタッフの方に広い館内を丁寧にご紹介いただきつつ、多少の談笑。おもてなしの気持ちが感じられます。いよいよ本日のお部屋に到着。旅館でお部屋の扉を開ける、筆者はこの瞬間の高揚感が大好きです。
落ち着いた雰囲気の帳場
【白骨温泉 湯元齋藤旅館】は介山荘、昭和館、牧水荘に全51室のお部屋があります。それぞれ異なった趣がありつつ、窓の向こうに広がる雄大な自然で快適に過ごせることでしょう。筆者が本日泊まるお部屋は介山荘。白骨温泉が登場する小説「大菩薩峠」の著者・中里介山が作品の構想を得るために宿泊したことから、名前を取って介山荘と名付けられたそうです。実際に宿泊した介山荘スタンダード客室は、純和風のとても落ち着いた雰囲気で広々としており、ゆったりと過ごすことができます。畳の良い香りを楽しみながら、お茶と用意されていたお着き菓子をいただきます。旅の疲れを甘いお菓子で癒しつつ、ゆっくりと過ぎるひとときを楽しめました。

少しお部屋で休憩したところで、今回の旅の目的でもある温泉へ向かいます。
和を感じるお部屋
お茶とお着き菓子「紫福餅」

17:00 白骨の湯へ・・・

【白骨温泉 湯元齋藤旅館】の温泉は貸切風呂の他に龍神の湯、薬師の湯、鬼が城の3種類あります。全て自家源泉から源泉直引き、かけ流しの湯です。なお、龍神の湯と薬師の湯、鬼が城はそれぞれ時間帯により男女入替制になっておりますので、全て楽しみたい方は注意してくださいね。

筆者が最初に入るのは薬師の湯。洗い場に内風呂と屋根付きの露天風呂があります。浴場に入ると早速硫黄の香りが漂ってきました。体の汚れを綺麗に落とし、いざ白骨の湯に入浴です。程良い温度に保たれた乳白色の湯に入ると、日頃の疲れが一気に洗われるようです。露天風呂はごつごつとした岩が並ぶこぢんまりとした造り。広々とした浴場も良いですが、コンパクトな露天風呂は落ち着きを感じます。外は小さな庭園のような造りで、この日はあいにくの雨模様でしたが、雨がしとしとと落ちる雰囲気は他にはない特別感がありました。筆者は雨で良かったと感じています。

お部屋に戻ろうかと思いましたが、まだ夕食には少し早い時間。ここでお部屋までご案内いただいたスタッフの方との話を思い出しました。

筆者「雨の日は屋根のない露天風呂のみの鬼が城は入れなかったりするんでしょうか?」
スタッフさん「入れないことはないですが、雨に打たれて修行のようになるのであまりおすすめはできないですね(笑)」

外はまだ雨。しかしこの雨に特別感を感じた筆者は「修行」のために鬼が城へと向かいました。もちろん、他のお客さんの姿はなく。貸切の露天風呂にさらに魅力を感じました。脱衣所を出るとそこには露天風呂。洗い場もないひと昔前の温泉の雰囲気を残しているとのことでした。雨はさらに強さを増していましたが、ここまで来たら入るしかありません。降りしきる雨に打たれながら白骨の湯を楽しみました。スタッフの方が仰るように「修行」そのもので、我慢できず少しだけ屋根のかかるところに移動。これも旅の良い思い出の一つとなりましたが、ご入浴はご自身の責任でお楽しみくださいね。
「野天風呂・鬼が城」透明な湯ですが・・・
時間が経つと白くなります。【画像提供】白骨温泉 湯元齋藤旅館

19:00 夕食

待ちに待った夕食の時間。会場は御食事処あづみ野です。席に着くと早速美味しそうなお食事が目の前に。本日のメインは信州プレミアム牛のしゃぶしゃぶ。鮮やかに輝く牛肉がとても美味しそうです。しゃぶしゃぶの出汁を温めつつ、前菜を食べ進めていくとお造りが来ました。内容は信州サーモン、信濃雪鱒(ゆきます)、信州大王岩魚(いわな)の3種。癖のない脂身が美味しい信州サーモン、たんぱくな雪鱒とたんぱくさの中に上質な脂身を感じる大王岩魚。同じ魚でも全く違う味わいに感銘を受けました。岩魚は塩焼きでもいただきます。ふっくらとした身に丁度良い塩加減でぺろり。ここでしゃぶしゃぶの出汁も温まってきたので、肉をさっとくぐらせて一口。肉がとろけるとはこのことかと言わんばかりの贅沢な逸品でした。
鮮やかな信州プレミアム牛。
左から信州大王岩魚、信州サーモン、信濃雪鱒。
ここまでのお食事で信州の食材を堪能しておりましたが、振り返ると驚きだったのはこの後にいただいた2品。まずは信州ハーブ鶏と夏野菜冷菜。驚いたのは見た目。ここまで和食に統一された献立でしたが、一見フレンチで出てきそうな見た目で思わず「ええ?」と困惑。赤いソースは梅肉、ジュレはポン酢。どちらのソースやジュレにも合う信州ハーブ鶏と新鮮な冷菜を大変美味しくいただきました。

次に出てきたのが揚げ物。ひねられた魚に細い棒状の物、これは一体・・・。実は信州安曇野の郷土料理である「円揚げ(つぶらあげ)」というお料理で、虹鱒(にじます)を背開きにしてまるごと揚げた物です。周りにある細い棒状の物はそばの揚げ物。ポリポリとしていて食感が気持ちよく、ほのかにそばの風味が香ります。ちなみに黄色い物はもろこしの揚げ物。フワフワで甘味を感じられる珍しいお食事でした。さて、メインの円揚げを一口。魚の竜田揚げのような塩気のある揚げ物を想像していましたが、なんと甘塩っぱい。それもそのはず、味付けは醤油、酒、みりんなどで甘味を強めに仕上げるからだそう。おかずやおつまみだけでなく、おやつとしてなど手軽にいただける信州安曇野の郷土料理なのです。

最後に山菜御飯、野沢菜などのお漬物、信州黒味噌を使ったお味噌汁とデザートで夕食終了。地のものを使った宿は多いと思いますが、ここまでのこだわりは珍しく感じ、大満足の夕食でした。
信州ハーブ鶏と夏野菜冷菜。野菜本来の味を強く感じます。
虹鱒の円揚げ。信州安曇野の郷土料理です。

22:00 もう一度・・・

今回の旅の目的は湯治。となればもう一度温泉へ向かいます。満腹状態のまま温泉に入るのは危険ですので、しっかりとお部屋などで休憩を取ってから向かいましょう。雨もすっかり上がったので、もう一度鬼が城へ向かいます。雨の鬼が城とは打って変わって落ち着いた雰囲気が広がっていました。聞こえてくるのは虫の声、木々の揺れる音。薬師の湯よりも少し温めに感じ、いつまでも入っていられそうな感覚になりました。
身体がポカポカと温まり、徐々にウトウトしてきました。お部屋に戻り、すぐに布団へ。良質な湯に入ったからか、いつもより深い眠りにつけました。

6:30 温泉宿の醍醐味・朝風呂

朝食の時間直前までゆっくり眠る旅も良いですが、今回の旅の目的は湯治。いつもより早起きをして温泉へ向かいます。深夜に入替がありましたので、朝は龍神の湯へ。他のお客さんも少なく、少し特別感が感じられます。今日も良い湯です。

眠い目をこすりながらやってきましたが、徐々に覚めてきました。しかし少しばかりポカポカ・・・。このゆったりとした時間は早く起きて温泉に来た者だけが得られる優雅なひとときです。この時間がいつまでも続けばいいのですが、やはり体は正直。たらふく夕食をいただいたのにも関わらず、お腹が空いてきました。名残惜しいですが、朝食に向かうことにします。
龍神の湯【画像提供】白骨温泉 湯元齋藤旅館

8:00 朝食

朝食は昨日の夕食と同じ会場あづみ野にて。席に着く頃にはお腹ペコペコです。和を中心とした朝食。焼き魚や温泉卵、お漬物など温泉旅館らしい朝食で気持ちの良い朝のスタートを迎えられます。

朝食の目玉は2つ。源泉で温める湯豆腐と飲泉可能な温泉で炊き上げた温泉粥です。特に温泉粥は硫黄泉の癖が全くなく、一口、また一口と入れるごとに身体に染み渡る独特な感覚が感じられます。かつて食事が十分に摂れないお客さんに薬湯である温泉でお粥を炊いて提供したことが始まりと言われているそう。白米やパンの用意もありますが、ぜひ胃腸の調子を整える【白骨温泉 湯元齋藤旅館】自慢の温泉粥をご賞味ください。
源泉で温める湯豆腐。シンプルながら奥深い味わい。
飲泉可能な温泉で炊き上げる温泉粥。さらりと身体に入ってきます。

10:00 チェックアウト

楽しかった湯治旅もあっという間にチェックアウト時間に。最後まで丁寧にご対応いただいたスタッフの皆さまに感動しながら帰路につきます。コロナ禍で宿はおもてなしが十分にできないもどかしさ、我々宿泊客は寂しさを感じたこともありましたが、また新しい「おもてなし」が戻ってきたことは大変喜ばしい限り。工夫を凝らした【白骨温泉 湯元齋藤旅館】のおもてなしに後ろ髪を引かれつつ、また日常へ。そして必ず癒しを求めて戻ってくることを約束しました。

特別なことは何もしない特別なひととき

いかがだったでしょうか。今回の旅は湯に入り、信州のお食事をいただき、寛ぐ。特別なことは何もしていませんが、少し贅沢な滞在をすることで特別なひとときになりました。これは【白骨温泉 湯元齋藤旅館】が大切にするおもてなしの心から成る旅。日常の疲れは【白骨温泉 湯元齋藤旅館】で、秘湯の休日を過ごして癒してみてはいかがでしょうか。
【白骨温泉 湯元齋藤旅館】へのお泊りは「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」でのご予約がおすすめです!
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