曹洞宗のお寺がずらっと建ち並ぶ姿は壮観!青森県弘前市【禅林街と長勝寺】

  • 青森
  • 観光する
長勝寺三門
青森県弘前市を代表する観光名所として知られる「禅林街(ぜんりんがい)」。その名の通り、禅宗の寺院が林のように立ち並ぶ珍しい景観が広がり、全国的にも例を見ない独特の雰囲気をつくり出しています。一直線に伸びる参道の突き当たりには、ひときわ存在感を放つ「長勝寺」が構え、禅林街の象徴的な存在となっています。
今回は、江戸時代から続く歴史を今に伝える「禅林街」と、その中心的な寺院である「長勝寺」の歴史や見どころについてご紹介します。
長勝寺三門の楼上から見た禅林街

【禅林街】ってどうして作られたの?

禅林街がある弘前市は、かつて弘前藩と呼ばれ、日本最北端の現存天守を持つ弘前城を中心に発展してきた街です。その弘前城の南側に位置する「禅林街」は、弘前藩2代藩主・津軽信枚が1615(元和元)年に整備を進めた場所として知られています。信枚は、弘前城の南西、風水でいう「裏鬼門」にあたる地点に寺院を集めることで、城の守りを固めようと考えました。

「禅林街」は、精神的な守護だけでなく、城の南西を守る“砦”としての役割も担っており、軍事的な意図を含んだ構造であったとされています。そのため、弘前藩の防衛戦略の一端を担う重要なエリアでもありました。
黒門

【禅林街】の中心的な存在【長勝寺】

長勝寺のなりたち

「長勝寺」の歴史は、1528(享禄元)年にさかのぼります。弘前藩のもととなった津軽家の祖・大浦盛信が、父・光信の供養のために、当時の居城があった種里(現・青森県西津軽郡鰺ヶ沢町)に建てたのが始まりです。その後、津軽家の本拠地が移るたびに、「長勝寺」も一緒に場所を移していきました。大浦(現・弘前市五代)へ、さらに堀越(現・弘前市堀越)へと移り、そして1611(慶長16)年、弘前藩2代藩主・津軽信枚が弘前に城を移した際、「長勝寺」も現在の「禅林街」へと移転したと伝えられています。

「長勝寺」は、津軽家の菩提寺として特別な役割を担っており、禅林街33カ寺の中でも中心的な存在です。境内には歴代藩主や一族が眠る霊廟が建ち並び、今もなお津軽家の歴史を静かに語り続けています。
御影堂の弘前藩初代藩主・津軽為信木像

文化財がずらり!歴史の宝庫の【長勝寺】

「長勝寺」の境内には、重厚な三門をはじめ、数多くの国の重要文化財が静かに佇んでいます。ここでは、その中でも特に見応えのある文化財をいくつかご紹介します。

長勝寺の象徴的存在である三門

この楼門は1629(寛永6)年に弘前藩2代藩主・信枚が建てたもので、入母屋造(いりもやづくり/屋根の形の一種)・とち葺(とちぶき/栂の板を使う屋根)による、高さ16.2メートルの壮大な門です。花頭窓(かとうまど/曲線のついた装飾窓)の周囲だけが漆塗りで、それ以外は木をそのまま使う素木造で、力強い印象を与えます。

1809(文化6)年には大修理が行われ、花頭窓の補修や仁王像の安置など、形式にいくつかの変更が加えられました。上層には禅宗様の三手先詰組(みてさきつみぐみ/細かく組まれた木組み)、高欄(こうらん/手すり)、逆蓮柱(ぎゃくれんちゅう/蓮の形を反転させた装飾柱)が使われています。また、柱が下から上まで一本で通る「通し柱」という特徴的な構造も採用されています。これらの点から、この楼門は江戸時代前期を代表する、非常に重要な建築遺構といえます。
三門

全国でも最古級に属する本堂

本堂は大きな規模をもつ建物で、側面には「三本溝(みつぼんみぞ)」と呼ばれる、溝を三つ刻んだ特徴的な窓が並んでいます。屋根を支える垂木(たるき)は「船肘木(ふなひじき)」という、船の形に似た曲線をもつ部材で支えられています。
建てられた当初は、庫裏(くり:寺の台所・生活空間)と同じ茅葺きの屋根だったと考えられています。内部は、もともと土縁(どえん:土間に近い縁)で、中央には両折戸(りょうおりど:左右に折れて開く戸)と欄間(らんま:戸の上に入れる装飾的な開口部)が設けられていました。
間仕切りは一間ごとに柱が立ち、二本溝の仕切り板がはめられています。また、鴨居(かもい:戸の上の横木)には「付樋端(つけひば)」という装飾材が取り付けられているのも特徴です。仏間(ぶつま)は板張りで、仏を迎える象徴として「来迎柱(らいごうばしら)」が立っています。さらに、背面の壁には、かつて祭壇が直接取り付けられていた痕跡も見られます。
こうした構造や意匠は、曹洞宗の本堂建築として典型的な形式を備えており、この本堂が全国でも最古級に属する、非常に貴重な建築であることを示しています。
本堂

津軽の歴史を学びに【禅林街】へ行こう!

いかがでしたか?本州最北端に位置する青森県の中でも、歴史の息づく特別な地として知られるのが、津軽藩の城下町・弘前です。江戸時代の初期から幕末にかけての長い年月、津軽氏はこの地を治め、独自の文化を育んできました。その歴史の深さを今に伝えているのが、「禅林街」と「長勝寺」です。
また、弘前といえば欠かせないのが弘前城です。桜の名所として名高いこの城は、天守が現存する貴重な城郭としても知られています。「禅林街」・「長勝寺」を訪れたあとに弘前城へ足を運ぶと、津軽藩の歴史がより立体的に感じられ、当時の人々の暮らしや文化がぐっと身近に思えるはずです。歴史好きの方はもちろん、静かな時間を楽しみたい方や、古い建築に魅力を感じる方にもおすすめのエリアです。
弘前を訪れる際は、ぜひ「禅林街」と「長勝寺」、そして「弘前城」を合わせて巡り、津軽の歴史を心ゆくまで味わってみてください。
長勝寺のホームページはこちら

好きな列車と宿または日帰りプランを組み合わせておトクに旅行しよう!

自分だけのオリジナル旅行が作れる

「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」は、列車と宿を自由に選べてまとめて一度に申込める、Web販売限定の価格変動型個人旅行商品です。お申込みのタイミングや条件によってはおトクになることも♪お申込みは、最短で出発当日でもOK!旅行だけでなく、出張やワーケーションにもおすすめです。さらに日帰りプランもご用意!予定や目的に合わせて、あなただけの旅をお楽しみください。
この記事に関連するタグ
前の記事 一覧へ戻る 次の記事
関連記事