十和田八幡平国立公園の見どころと楽しみ方|原始の森が広がる日本有数の火山地帯で自然を満喫

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十和田湖
青森・岩手・秋田の3県にまたがる十和田八幡平国立公園。十和田湖や奥入瀬渓流、八幡平、岩手山など、東北を代表する景勝地と温泉が点在しています。山と湖と渓流、多彩な自然を楽しめる国立公園の魅力をご紹介します。

十和田八幡平国立公園とは?火山地形に育まれた神秘の湖と豊かな森が広がる国立公園

十和田八幡平国立公園は、本州北部の山岳地帯にあり、八甲田山系、十和田湖、奥入瀬渓流などからなる十和田八甲田地域と、八幡平、秋田駒ヶ岳、岩手山などからなる八幡平地域で構成される、山と湖と渓流の公園です。

十和田八甲田地域は、神秘的な美しさを誇る十和田湖、やさしく清らかな奥入瀬渓流、樹氷で有名な八甲田山系、その豊かな自然環境に育まれて息づく多様な動植物など、四季を通じて変化に富んだ景観を楽しむことができます。

八幡平地域は、日本でも有数の火山地域です。火山現象と冬季の多雪条件が長い時間をかけてつくりだした、多くの湖沼と湿原、多様な生態系が魅力の公園です。

また、多くの温泉に恵まれていることも、本公園の大きな魅力となっています。
八幡平・八幡沼と岩手山

国立公園とは?

日本を代表する美しい自然景観を守り、楽しむために国が指定している「国立公園」。北海道から沖縄、小笠原諸島まで全国35か所に広がっています。

国立公園は自然を保護するだけの場所ではありません。

今回取材した環境省のレンジャー(国立公園や自然保護地域で自然環境の保全・管理を行う職員)やビジターセンターの担当者からは、「まずは気軽に自然に触れてほしい」という言葉が繰り返し語られました。ビジターセンターは無料で利用でき、旬の自然情報やおすすめの散策コースを知ることができる場所。道の駅や観光案内所のような感覚で立ち寄り、スタッフとの会話を楽しみながら自然の魅力に触れてほしいとのことでした。

また、自然観察会や工作体験などのイベントも各地で開催されており、「自然に触れてみたいけれど何をすればよいか分からない」という人にもおすすめです。国立公園は、未来へ残したい自然を守りながら、その魅力を多くの人に伝える場でもあります。
自然観察イベント

ビジターセンターの活用方法|事前に行けばもっと楽しめる!

国立公園を訪れたら、まず立ち寄りたいのがビジターセンターやインフォメーションセンター。登山道の通行止めや天候、野生生物の出没状況、高山植物の開花情報など、その時々の最新情報をスタッフから直接教えてもらえます。自分の体力や目的に合わせて、おすすめの散策ルートや見どころを相談できるのも魅力です。

館内では、地図や写真、標本、映像展示などを通して、その地域の自然や生態系について学ぶことができます。自然観察会やネイチャーウォーク、工作体験などのイベントを実施している施設もあり、自然をより身近に感じられるきっかけになります。

さらに、休憩やトイレ利用ができるほか、地域によっては給水スポットを備えている施設もあります。自然だけでなく、その土地の歴史や文化、暮らしに関する展示も充実しており、地域の魅力を知ることができます。各地のビジターセンターの所在地やイベント情報を事前に確認して、国立公園をより安全に、より深く楽しんでみませんか。

盛岡駅からアクセスしやすいビジターセンター ①網張ビジターセンター(岩手県)

編集部が網張ビジターセンターに行ってきました!

網張ビジターセンターは、盛岡駅から車で約45分。小岩井農場周辺の景色を眺めながらドライブを楽しんだ先にあります。山へ向かうルートですが、道路幅に余裕があり急カーブも少ないため、初めて訪れる方でも安心してアクセスできます。
標高約760mに位置する網張ビジターセンターの館内は、木のぬくもりを感じる温かな空間。窓の外には豊かな森が広がり、到着した瞬間からゆったりとした時間が流れています。
網張ビジターセンター外観
館内は、大きく「くつろぎスペース」と「展示スペース」の2つに分かれています。くつろぎスペース入口を入るとテーブルと椅子のあるスペースが広がり、休憩ラウンジでは飲食も可能です。スタッフの方によると、お弁当を持参してのんびり過ごす利用者もいるそう。景色を眺めながら本を読んだり、旅の計画を立てたりと、それぞれのスタイルでくつろげる空間になっています。
休憩ラウンジ
その先には、天井の高い展示スペースがあります。岩手山や周辺の自然を紹介する展示が並びます。大きな窓越しに森の景色を眺めながら、展示を楽しめるのが魅力です。
展示スペース

岩手山の魅力を知ると、景色の見え方が変わる

館内で特に印象に残ったのが「岩手山デジタルビュー」です。岩手山の成り立ちや火山活動について映像で学べる展示で、模型に向けてモニターをかざすと登山ルートが表示される仕組みになっています。これから岩手山や網張周辺を訪れる人にとって、旅の予習にもぴったり。
岩手山デジタルビュー
また「ナレッジワゴン」では、火山である岩手山がもたらす暮らしへの恵みや歴史を知ることができます。
ナレッジワゴン
展示を見た後は、併設されたブックライブラリーへ。県内のブックコンシェルジュが選んだ、絵本から山メシ、洋書など自然に関する様々な本を自由に読むことができます。
ブックライブラリー

森歩きや雲海も。自然を身近に感じるきっかけに

今回はあいにくの雨でしたが、スタッフの方によると、条件が揃えばテラスから雲海を眺められることもあるのだとか。網張ビジターセンターから眺める雲海は、スタッフの方もおすすめの景色のひとつだそう。標高約760mに位置する網張ビジターセンターならではの楽しみですね。

周辺には「網張の森自然散策路」も整備されています。足腰に不安がある方でも歩きやすい短めのコース(所要時間約20分)や、しっかり自然を満喫できるコース(約3km、所要時間約1時間)まであり、体力に合わせて楽しめるのが魅力。
網張の森

冬も心地よく過ごせる森の拠点

冬になると周辺は一面の雪景色となり、雪が窓枠の上まで積もることもあるのだとか。館内に設置された環境に配慮したペレットストーブがやさしく空間を暖め、厳しい冬の中でも心地よく過ごせます。
ペレットストーブ
四季折々の自然を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせる網張ビジターセンター。岩手山や網張エリアを訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
積雪期の網張の森

盛岡駅からアクセスしやすいビジターセンター ②八幡平ビジターセンター(秋田県)

八幡平ビジターセンター(秋田県)

八幡平の秋田県側にある八幡平ビジターセンターでは、八幡平の自然や動植物について学べる展示のほか、有料・予約制のガイドウォークを実施しています。初めて八幡平を訪れる方から、本格的なトレッキングを楽しみたい方まで参加できるプログラムがそろっているのが魅力。トレッキングやサイクリング向けのレンタル用品も充実しており、四季を通じて八幡平の自然を満喫できます。

十和田八幡平国立公園のおすすめの楽しみ方 ①十和田八甲田エリア

十和田湖カヌーツアー

神秘の湖として知られる十和田湖を、カナディアンカヌーで巡る人気のアクティビティ。湖面に近い目線でゆっくりと進むことで、遊覧船とはひと味違った景色を楽しめます。ブナの森に囲まれた静かな湖畔や入り江を巡りながら、ガイドによる自然解説を聞けるのも魅力。風の音や野鳥のさえずりに耳を傾けながら、十和田湖の豊かな自然を五感で体感できます。
秋の十和田湖カヌー

渓流ネイチャーウォーク

奥入瀬渓流は、十和田湖から流れ出る清流と苔むした森が織りなす景勝地です。ガイド付きのネイチャーウォークでは、渓流沿いを歩きながら滝や奇岩、季節ごとに表情を変える植物などを観察できます。何気なく通り過ぎてしまいそうな自然の魅力や生きものの営みについて学べるため、奥入瀬の自然をより深く楽しみたい方にもおすすめです。これからの季節は紅葉、12月下旬からは滝の氷瀑ツアーが楽しめます。
奥入瀬渓流

十和田八幡平国立公園のおすすめの楽しみ方 ②八幡平エリア

岩手山の焼走り

約300年前の噴火で流れ出た溶岩が広がる「焼走り熔岩流」は、国の特別天然記念物にも指定されている景勝地。秋には赤や黄色に染まる草木と黒い溶岩原のコントラストが美しく、岩手山の雄大な姿を間近に感じられます。
焼走り熔岩流

鳥越(とりごえ)の滝

白い湯けむりが立ちのぼる葛根田渓谷(かっこんだけいこく)の奥地に佇む鳥越の滝は、紅葉シーズンに訪れたい隠れた名所。落差約30mの滝が轟音とともに流れ落ちる迫力ある景観は必見です。温泉地ならではの硫黄の香りが漂う独特の雰囲気も魅力。冬季(11月下旬~5月上旬)は車両通行止めにより見学できませんので、訪問の際は事前にご確認ください。
鳥越の滝

国立公園のルールとマナー

国立公園には、貴重な自然環境や動植物を守りながら多くの人が安全に利用できるよう、さまざまなルールやマナーが設けられています。美しい景観や豊かな生態系を未来へ引き継ぐためにも、一人ひとりの心がけが大切です。

十和田八幡平国立公園で特に知っておきたいのが、特定外来生物「オオハンゴンソウ」の拡散防止です。オオハンゴンソウは繁殖力が強く、公園内の高山植物や湿原の植物など、在来種の生育環境に影響を及ぼすおそれがあるため、駆除や分布拡大防止の取り組みが進められています。

登山前には靴底をさっとチェック。泥や種子を落としておくことで、外来植物の拡散防止につながります。小さな心がけで、大切な自然を守りましょう。
オオハンゴンソウ防除の様子
このほかにも、野生動物との適切な距離の保ち方やごみの持ち帰りなど、国立公園を利用する際のさまざまなルールやマナーがあります。詳しくは、環境省ウェブサイトで公開されている「国立公園の利用上のマナー」や関連リーフレットをチェックしてみてください。
環境省「国立公園の利用上のマナー」

環境省担当者からのメッセージが届きました!

90周年の節目を迎えた十和田八幡平国立公園

昭和11年2月に十和田八甲田地域が指定、昭和31年7月に八幡平地域が国立公園に追加指定され現在の十和田八幡平国立公園となりました。今年は百名山に名を連ねる岩手山の入山規制も一部緩和され、2年ぶりに多くの登山者で賑わっています。

記念切手を発売!

十和田八甲田地域の国立公園指定90周年、八幡平地域の国立公園指定70周年を記念した切手を発売。表紙には、それぞれ冬の八甲田と、紅葉の三ツ石山から望む岩手山の風景が採用されています。
記念切手

十和田八幡平国立公園を満喫しよう

神秘的な湖や渓流、雄大な山々、豊かな温泉など、十和田八幡平国立公園には東北ならではの魅力が詰まっています。ビジターセンターも活用しながら、四季折々の自然を満喫する旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
八幡平の草紅葉
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※画像はすべてイメージです。

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