【三陸復興国立公園】の見どころと楽しみ方|潮風トレイルと海岸絶景を満喫

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宮古うみねこ丸(宮古市)
青森・岩手・宮城の3県にまたがる三陸復興国立公園。浄土ヶ浜や北山崎をはじめとした絶景スポットが点在し、連続する断崖絶壁やリアス海岸など素晴らしい自然を満喫できる国立公園の魅力をご紹介します。

三陸復興国立公園とは?絶景の断崖絶壁やリアス海岸が連続する東北屈指の海の国立公園

三陸復興国立公園は、青森県から宮城県まで約250kmにわたって続く海辺の国立公園です。北部では「海のアルプス」と呼ばれる迫力ある断崖絶壁が広がり、南部では穏やかな入り江が連なる美しいリアス海岸へと景色を変えていきます。ウミネコが舞う海辺や豊かな漁場、人々の暮らしに寄り添う港町など、この地ならではの自然と文化が今も息づいています。また、天然芝生と海岸線が美しい種差海岸や蕪島、北山崎、浄土ヶ浜、碁石海岸といった名勝地に加え、気仙沼大島や牡鹿半島(金華山・田代島)など、三陸ならではの島旅を楽しめるスポットも点在しています。震災からの復興とともに歩んできたこの地域では、絶景だけでなく、海とともに生きる人々の歴史や文化、暮らしに触れながら旅ができることも大きな魅力です。
北山崎(岩手県 田野畑村)
東日本大震災からの復興を見つめ続けてきた場所でもあり、みちのく潮風トレイルをはじめとする新たな取り組みを通じて、人と海、人と人とのつながりが育まれています。絶景を眺めるだけでなく、その土地の歴史や暮らしに触れながら旅ができること。それが三陸復興国立公園の大きな魅力です。
階上町(青森県)

国立公園とは?

日本を代表する美しい自然景観を守り、楽しむために国が指定している「国立公園」。北海道から沖縄、小笠原諸島まで全国35か所に広がっています。

国立公園は自然を保護するだけの場所ではありません。

今回取材した環境省のレンジャー(国立公園や自然保護地域で自然環境の保全・管理を行う職員)やビジターセンターの担当者からは、「まずは気軽に自然に触れてほしい」という言葉が繰り返し語られました。ビジターセンターは無料で利用でき、旬の自然情報やおすすめの散策コースを知ることができる場所。道の駅や観光案内所のような感覚で立ち寄り、スタッフとの会話を楽しみながら自然の魅力に触れてほしいとのことでした。

また、自然観察会や工作体験などのイベントも各地で開催されており、「自然に触れてみたいけれど何をすればよいか分からない」という人にもおすすめです。国立公園は、未来へ残したい自然を守りながら、その魅力を多くの人に伝える場でもあります。
浄土ヶ浜の自然観察会

ビジターセンターの活用方法|事前に行けばもっと楽しめる!

国立公園を訪れたら、まず立ち寄りたいのがビジターセンター。登山道の通行止めや天候、野生生物の出没状況、高山植物の開花情報など、その時々の最新情報をスタッフから直接教えてもらえます。自分の体力や目的に合わせて、おすすめの散策ルートや見どころを相談できるのも魅力です。

館内では、地図や写真、標本、映像展示などを通して、その地域の自然や生態系について学ぶことができます。自然観察会やネイチャーウォーク、工作体験などのイベントを実施している施設もあり、自然をより身近に感じられるきっかけになります。

さらに、休憩やトイレ利用ができるほか、地域によっては給水スポットを備えている施設もあります。自然だけでなく、その土地の歴史や文化、暮らしに関する展示も充実しており、地域の魅力を知ることができます。各地のビジターセンターの所在地やイベント情報を事前に確認して、国立公園をより安全に、より深く楽しんでみませんか。

盛岡駅からアクセスしやすいビジターセンター ①浄土ヶ浜ビジターセンター

編集部が浄土ヶ浜ビジターセンターに行ってきました!

浄土ヶ浜ビジターセンターは、盛岡駅から公共交通機関でもアクセスしやすいのが魅力です。盛岡駅から宮古駅まではJRやバスで約2時間。その後、路線バスに乗り換えて約15分でビジターセンターの目の前に到着します。
浄土ヶ浜ビジターセンター外観
浄土ヶ浜へ向かう際には自然とビジターセンターの前を通る動線になっているため、観光のスタート地点として気軽に立ち寄ることができます。

館内は3階から入り、フロアを下りながら三陸の自然や文化を知ることができるユニークな造り。入口となる3階には、三陸復興国立公園に含まれる各地域の見どころや観光情報が集まるインフォメーションコーナーがあります。青森県から宮城県まで約250kmにわたる広大なエリアの情報が一か所に集まっているのは珍しく、旅の計画づくりにも役立ちそうです。

三陸を一度に旅するような展示が魅力

2階の「三陸海岸ガイドフロア」で特に印象的だったのが、三陸沿岸各地の砂や石を展示したコーナーです。青森県から宮城県まで約250km続く三陸海岸は、地域ごとに地質が異なります。細かな砂浜もあれば、黒い小石が広がる海岸もあり、その違いを一度に見比べられるのはビジターセンターならではです。
三陸海岸各地の砂や石
また、フロア全体は「山から海へ」という三陸の自然のつながりを感じられる展示構成になっています。かつて山越えの交通手段として活躍した牛の話や、人々の暮らしと自然の関わりなども紹介されており、三陸という地域への理解が深まります。
2階展示入り口
中央には三陸海岸の魅力を伝える大型スクリーンが設置され、その周りには海岸の石をイメージした椅子が並びます。思わず座って映像を眺めたくなる、やさしい雰囲気の空間です。
2階シアターコーナー
さらにスクリーンの裏側には、沿岸地域の特産品や伝統芸能、季節ごとの行事を紹介する展示コーナーも。今も実際に販売されている商品も一部展示されているため、お土産探しの参考にもなりそうです。
浄土ヶ浜歳時記
1階は浄土ヶ浜に特化した展示エリア。立体模型によって浄土ヶ浜の地形を俯瞰で見ることができ、海岸の成り立ちや特徴を分かりやすく学べます。模型を眺めていると、浄土ヶ浜の入り江が意外にも丸みを帯びた地形であることに気付きます。実際に現地を訪れる前にその成り立ちを知ることで、景色の見え方も変わってきます。
浄土ヶ浜立体模型
ビジターセンターの魅力は展示だけではありません。スタッフの方から現地ならではの見どころを教えてもらえるのも大きな魅力です。
展示で三陸の地質について学んだ後に浄土ヶ浜を歩いてみると、足元に広がる石にも目が向きます。浄土ヶ浜には大きめの石が多く、よく見ると四角い形をしたものが目立ちます。これは岩石がまっすぐ割れる性質によるものだそう。また、ガラス質の成分を含む石もあり、太陽の光を受けるときらりと輝く姿を見ることができます。
浄土ヶ浜の石
スタッフおすすめの撮影スポットは、浄土ヶ浜の奥まで進んでから振り返るアングル。浜辺と白い岩場がバランスよく収まり、浄土ヶ浜らしい景色を楽しめます。
おすすめアングルからの浄土ヶ浜
散策路には東日本大震災の痕跡も残されています。現在の遊歩道は整備し直されたものですが、一部では震災前の遊歩道跡を見ることもできます。また、浄土ヶ浜レストハウスには津波到達地点を示すプレートが設置されており、この地域が歩んできた復興の歴史を今に伝えています。
浄土ヶ浜レストハウス
さらに、スタッフが教えてくれた穴場スポットが「お台場」です。浄土ヶ浜へ向かう途中の小道を進んだ先にある小高い場所で、かつて船の見張り場として使われていました。大きな案内看板はありませんが、高台から浄土ヶ浜を一望できる隠れた絶景スポットです。

ビジターセンターで浄土ヶ浜の歴史や自然を知り、スタッフからおすすめ情報を聞いてから歩く。そんなひと手間を加えるだけで、浄土ヶ浜の景色はより奥深く、魅力的に感じられるはずです。

盛岡駅からアクセスしやすいビジターセンター ②碁石海岸インフォメーションセンター

碁石海岸インフォメーションセンター

碁石海岸は、岩手県大船渡市の末崎(まっさき)半島東南端に約6kmにわたって広がる海岸です。 松林の中を気持ちよく歩ける遊歩道が整備されており、四季折々の草花を眺めながら散策を楽しめます。展望台も点在し、乱曝谷(らんぼうや)付近からは対岸の綾里崎(りょうりざき)や切り立った断崖が織りなすダイナミックな海岸景観を一望。碁石岬からは広田半島や、天候の良い日には宮城県の金華山まで望むことができます。
碁石海岸インフォメーションセンター外観

三陸復興国立公園のおすすめの楽しみ方

歩いて出会う、みちのく潮風トレイル

海を眺めながら、東北の物語をたどる旅へ。みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市から福島県相馬市まで、太平洋沿岸をつなぐ全長1,000km超のロングトレイルです。歩き始めると、断崖が続くダイナミックな海岸線、穏やかな入り江が美しいリアス海岸、広々とした平野や里山など、驚くほど表情豊かな風景が次々と現れます。
この道の魅力は、絶景だけではありません。漁港で働く人々の姿や昔から受け継がれる郷土芸能、旬の海の幸、地域に根付く暮らしなど、歩くからこそ見えてくる東北の日常との出会いがあります。沿線には250を超える漁港が点在し、その土地ならではの食や文化に触れられるのも楽しみの一つです。
みちのく潮風トレイル イメージ
また、みちのく潮風トレイルは東日本大震災からの復興を背景に生まれた道。震災遺構や伝承施設、地域の人々との何気ない会話を通して、復興の歩みや未来へ受け継ぎたい記憶に触れることができます。自然の美しさと人の営み、そしてこの地が歩んできた歴史を全身で感じられるのが、この旅ならではの魅力です。どこまでも続く海を眺めながら、自分のペースで歩く。その一歩一歩が、東北をより深く知る特別な時間へと変わっていきます。

気軽に体験するなら、駅からハイキングがおすすめ!

「駅からハイキング(駅ハイ)」は、駅を起点にその土地ならではの自然や歴史、文化に触れながら楽しめるJR東日本の人気ウォーキングイベント。参加費無料で、予約不要のコースも多いため気軽に参加できます。専用アプリやホームページからコースを探して、当日はスマホで受付するだけとなります。

半日でも楽しめる、みちのく潮風トレイル

みちのく潮風トレイルを気軽に楽しめる「駅からハイキング」のコースも、三陸沿岸を中心に複数設定されています。コースによって異なりますが、2~5時間程度で歩けるものが多く、JR線や三陸鉄道の駅を起点に、絶景や地域の歴史・文化に触れながら楽しめるのが魅力です。
全長1,000kmを超えるみちのく潮風トレイルは、「どこから歩けばいいの?」と迷ってしまう方も多いはず。そんな方は、まずは駅からハイキングを利用して、三陸の自然やまちの魅力を気軽に体感してみてはいかがでしょうか。
駅からハイキング 公式HP

海を楽しむアクティビティ

三陸復興国立公園では、陸上から絶景を眺めるだけでなく、海の上からダイナミックな海岸景観を体感できるアクティビティも人気です。地元漁師が操船するさっぱ船(小型漁船)クルーズでは、断崖や海食洞など陸上からは見られない景色を間近で楽しめます。
また、SUP(スタンドアップパドルボード)やシーカヤック、安定感があり初心者にも挑戦しやすい足漕ぎカヤック(ホビー)など、三陸の海を身近に感じられる体験も充実。湾内をゆったり進みながら、リアス海岸が織りなす独特の地形や豊かな自然を満喫できます。

みちのく潮風トレイルで海岸線を歩くのはもちろん、海上から三陸復興国立公園の絶景を眺めることで、この地域の魅力をより深く感じられるでしょう。
足漕ぎカヤック(ホビー)イメージ

三陸ジオパークガイドと歩くツアー

「ジオパーク」という言葉を初めて聞く人もいるかもしれません。ジオパークとは、地球の活動によって生まれた地形や地質、その土地で育まれてきた自然や文化、暮らしを丸ごと学び、楽しむことができるエリアのことです。
三陸復興国立公園の多くのエリアは三陸ジオパークとも重なっており、絶景を楽しむだけでなく、その風景が生まれた背景まで知ることができます。
ジオパークガイドイメージ

三陸復興国立公園のルールとマナー|自然を守るためにできること

浄土ヶ浜をはじめとする三陸復興国立公園では、ウミネコへの餌やりが長年親しまれてきました。地域の観光を支えてきた大切な文化の一つですが、近年は野生動物本来の生態への影響や感染症の懸念などから、そのあり方が見直されています。豊かな自然を未来へ引き継ぐためにも、野生動物とは適度な距離を保ち、ありのままの姿を楽しみましょう。
ウミネコ
このほかにも、野生動物との適切な距離の保ち方やごみの持ち帰りなど、国立公園を利用する際のさまざまなルールやマナーがあります。詳しくは、環境省ウェブサイトで公開されている「国立公園の利用上のマナー」や関連リーフレットをチェックしてみてください。
環境省公式HP 「国立公園の利用上のマナー」

三陸復興国立公園を満喫しよう

ダイナミックな海岸美や豊かな自然、地域に根づく文化や復興の物語など、三陸復興国立公園にはこの土地ならではの魅力が詰まっています。ビジターセンターやみちのく潮風トレイルも活用しながら、三陸の自然と人の営みに触れる旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
小舟渡(こふなど・八戸市)
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